味覚や臭覚を言葉にするのは難しい

醤油に関わる方たちと打ち合わせで日帰り東京。味覚や臭覚を言葉にすることは難しいという話題に。「醤油には何種類の香り成分が含まれているか知っていますか?」から始まるフレーズは醤油関係者なら皆が知っていること。「300種類です!」に聞いている方が、「おぉ!」「そんなにたくさん!」と反応してくれて、「えぇ、そうなんです。コーヒーやバナナの香りも含まれているんですよ」と補足するのがある種のパターンになっています。ただ、そこからさらに深堀して香りについて語れたらいいよねって。

自分が感じた香りや味わいをじょうずに言語化することは難しい。誰しもができることじゃないかもしれない。けど、比較をしておいしく感じる方を選んだり、順位をつけることならできるかもしれない。そのような体験があって、その上で専門家が言語化した言葉があればすんなりと受け入れられるかもしれない。皆で考えることは、やっぱり楽しい。

餃子と醤油の検証

餃子と醤油

先日、王将で餃子を10人前テイクアウト。醤油を11種類並べて相性の検証をすると、一番人気は再仕込み醤油に。お酢との相性もあるので、もう少し検証しないといけないと感じていますが、だし醤油系や溜は人気がなく、再仕込み、濃口、淡口の定番系が人気でした。

餃子と醤油の検証

中でも人気だったのが再仕込み醤油で、そのままは濃厚な醤油ながら、酢醤油にして餃子と合わせると「お酢と醤油のバランスがよい」という感想に。醤油が強すぎることはまったくなく、油とまじりあってちょうどの感じに。

また、淡口醤油も評価が高く、これはお酢を主役にした酢醤油になるからだと思います。餃子をお酢で食すのが好きな方っていると思いますが、醤油味でなくてお酢味でさっぱりと食べたい、その感覚に沿った味付けになると思います。

*醤油の料理帖:餃子
http://www.s-shoyu.com/cook/2015/10/15/642/

まじめなおかし ミレービスケット

ミレービスケット

おいしいなぁ。って、ミレービスケットを食べる。
パッケージも素敵だなぁ。って、じろじろ見る。

大きな文字で「まじめなおかし」とあって、その説明書きとして「おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さんも食べたミレーはおいしいまじめなおかしです。」って書いてある。

そして、袋の左下に「太陽と風で結晶化した塩/天日塩」とあって、右下に「だから・・・おいしい!!」。商品説明はこれだけ。

もし自分がこのパッケージをつくる立場なら、どうして「まじめなおかし」なのか?の説明を入れたがるだろうな。原材料のことや製法のこと、どんな場所でつくっているとか、どれだけの伝統があるとか、盛り盛りにしちゃうんだろうな。

だけど、「だから・・・おいしい!!」の一言で説明しているミレーをみると、「伝えたい」に力みすぎちゃだめなんだよなって本当に思う。

結婚式のギフトに醤油

結婚式に醤油

朝から紅白のラッピング。

スタッフの一人が体調不良でお休みになってしまい、黙々とラッピング。醤油のキャップ部分にオリジナル包装。醤油は銘柄バラバラ。結婚式の披露宴のお見送りの品としてお使いいただいています。

「醤油が結婚式のギフトに?!」と最初の頃は職人さんにも驚かれましたが、数本セットの引き出物よりも、1本ギフトが大多数です。結婚式関連でいただくご注文のほとんどがこの仕様だと思います。

新郎新婦様のご出身地の銘柄や、お二人の思い出や馴染みのある銘柄をご指定いただくこともありますが、特に指定はないという場合は、バラバラの銘柄を提案させていただいています。合計50本であれば全部バラバラの50銘柄。当日のゲストの方にそれぞれ異なる醤油が行き渡るように。

「ゲストから醤油おもしろかった!という感想をもらいました」という感想を、新郎新婦からいただけると、これまたうれしい限り。

私はこれが好き!と言えるスタッフがいる売り場

東京への日帰り出張。神楽坂プリュスさん、日本百貨店しょくひんかんさんなど、職人醤油を扱っていただいている店舗を訪ねながら、ISETAN松戸店さんの地下1階の調味料売り場へ。

松屋銀座に直営店を出したのが1年前。その前までは調味料売り場に職人醤油を並べていただいていました。その時の担当の方が、こんなポップが作れないか?こんなアプローチはどうだろう?と熱心にコミュニケションを取ってくれて、オリジナルのチャートなどを作成していました。

その方が松戸店に赴任されていて、ここでも醤油をと相談をいただいたのです。





そもそも、職人醤油は並べたところで、どんどん売れるものではないと感じています。小売店に並べていただく中で、たくさんお買い上げいただける店舗とそうでない店舗が分かれることも実感しています。そして、よいお店は決まってスタッフの方が職人醤油を好きでいてくれます。醤油を実際に使ってくれていて、お客様から「どの醤油がおすすめ?」と聞かれれば、「私はこれが好きです!」の一言を添えてくれています。


醤油の種類や製法など、すらすらと説明できることは理想ですが、百の知識よりも実体験としての「私はこれが好き」。この一言が言えるか言えないかの違いはとてつもなく大きいように感じています。





他店舗の調味料売り場をフラフラしながらお客様の様子を眺めていることがあるのですが、お客様から質問をされてスタッフの方が一緒になって困っている風景をちらほら。

商品の原材料表示を見ながら、「これもこれも同じですよね。何が違うんでしょうねぇ…」。

何百というアイテムが並んでいるので全てを把握するのは無理だとしても、文字や写真などの情報ではなくて、自分がおいしいと感じた感想を持っているかどうか、そのようなスタッフの方がいるかどうかが大切なように感じます。

ヤマホさんの創立105周年記念祝賀会

先日の3月11日、株式会社ヤマホさんの創立105周年記念祝賀会で講演をさせていただきました。一緒に講演されていた東北大学の坂井信之先生。「香りと情報がつくる美味しさ」という演題で、美味しいものは存在しないけど、人が美味しいと感じるものはあるという内容がとても面白かった。

ダイレクトな味覚情報よりも香りや記憶や感情の要因が大きいことを具体的な事例をもとに。例えば、中身の見えない3つの紙コップの液体を飲んで感想を聞くと、「水、甘い、すっぱいレモン」と被験者は回答。→正解は全部同じ水。ただ、口元に異なる香料が付けてある。水を口に入れているけど、異なる香りをかぐことで味わいが違うと認識している。

また、同じマグロの刺身を口にいれて異なる映像を見せる事でも感じ方が変わる。赤いマグロの映像だとおいしく、青いマグロの映像だとおいしくないと被験者は口にする。

醤油も香りの要素がとても大きいはずだけど、あまり注目されていない。うま味の強い醤油、色の淡い醤油というリクエストはあっても、香りの〇〇というリクエストはあまり耳にしない。坂井先生に香りをより感じるテイスティング方法を質問すると、そのままの香りより、口に入れて鼻から抜ける時に感じる香りの方が分かりやすいよとのこと。あと、鼻でかぐときも、口に何も入ってない時と、何か(味に影響しない寒天など)が入ってる時でも感じ方が違うらしい。

群馬イノベーション会議に参加

3月6日。群馬イノベーション会議に参加。スタートは一橋大学イノベーションセンターの米倉先生の講演から。自己紹介もそこそこに上着のジャケットを脱ぎ、左に右に歩き回りながら会場に質問を投げかける講演スタイル。しっかりと笑いのポイントもあり、緊張感とスピード感のあるあっという間の80分でした。

イノベーションは「新しい組み合わせ」。その例としてでてきたウォークマン。当時、録音もできないオーディオなんていらないと思ったけど、銀座の街のど真ん中で友人に手渡されたウォークマンを耳にして度肝を抜かれたという話。現状の均衡を創造的な仕組みで新しい経済発展に導く。これがイノベーションであって、「馬車を何台つなげても機関車にはならない」というシュンペーターの言葉も印象的。そして、GEは何を売っているか?の質問。顧客が飛行機のエンジンの調達先をGEから変えても仕方がないと言うそうです。それは、「顧客利益の最大化を売っている」から。

TOKYO FM ジャパモン

考えないヒント

たくさんあった本を何度も半減させて、今では段ボールひと箱ほど。その中の一冊が小山薫堂さんの「考えないヒント」で、人生の偉大な先輩から「この本」って紹介されたもの。

小山薫堂さんは「料理の鉄人」を企画した放送作家、「おくりびと」の脚本や「くまモン」誕生のキーパーソンだったりと、「考えないヒント」という題名ながら、読み終わると考えるがとまらないわけです。10年前に書かれた初版本。ずっと持ち続けると思います。

その小山さんのラジオ番組である「ジャパモン」に登場させていただけることに!FM群馬だけ放送時間が異なるのですが、全国で聴けるはずなのでお聴きいただけると嬉しいです。

2月19日(日)TOKYO FM 13時〜(FM GUNMA は8時〜)
http://www.tfm.co.jp/japamon/

畑醸造さん前橋に来店

畑醸造

富山県の畑醸造の畑さんが前橋に立ち寄ってくれました。「いつ出てこられたのですか?」午前10時過ぎに前橋駅で待ち合わせをしていたので、昨日までこの近辺で用事があったのものだと思い込んでいたら、「今朝ですよ。8時前の新幹線で!」と、思いがけない回答。北陸新幹線を使うと群馬と富山はこんなに近かったんですね。

畑醸造さんといえば、麹蓋による麹造りと地元でこのまれる甘い醤油とを手掛ける蔵元さん。麹室がレンガづくりなのも特徴で、レンガ室は全国探してもほとんど残っていないとか。1月22日まで日本橋とやま館にて畑醸造さんのある小矢部市のフェアが開催されていて、19日20日は畑さんも店頭に立たれているそうです。

結露した床にどう対処するか

城さんの奮闘記が到着。気づけば97本目。2010年から地道に更新し続けてくれています。4度目の仕込みがスタートしている時期で、その近況に加えて今回は結露について書いています。麹をつくる室の中は、麹菌が繁殖しやすいように温かくて湿度が高い環境をつくります。閉ざされた空間内でも上の方と下の方では温度が違ったり湿度のこもり方が違ったりと麹にとって最適な環境を考えるとあれもしたいこれもしたいとなるものですが、結露した床にどう対処するかという話題です。以外にシンプルな方法が有効だったりして。

■ [奮闘記 vol.97] 2016年の仕込み
http://www.s-shoyu.com/jo/097.htm